
どうもどうもー。
ツシマです。
今回から最適化ステップの「時間の使い方」についてのセクションのお話になります。「最適化」は、「自分のやりたいことに環境を最適化する」がゴールです。
今回の記事の目次
0.マインドセット
0-1.例:五郎丸選手のあのポーズ
今回は、ルーティンについてです。
ルーティンといえばこの方。
ラグビーの五郎丸歩選手です。


大学生で日本代表入りした後、プロ入りし大活躍。昨年、惜しまれつつ引退されました。彼がキックを放つ前に行う「五郎丸ポーズ」はルーティンとして紹介されました。
今回の記事でのルーティンは
決まった手順
お決まりの所作
としての意味でお話します。その意味で五郎丸選手のキック前ルーティンは説明にぴったりなんです。
「一連の動きに集中することで、観客の歓声や相手の動きなどの外的な障害と、キックが入るだろうかという不安や心配といった内的な障害を取り除くことができる」
このルーティンを完了したとき、五郎丸選手は、心身ともにキックを蹴る準備が整い、「肉体的に、あとは蹴るだけ」といった状態になるのだという。
出典:「五郎丸ポーズ何の意味もない」女性博士が語る開発秘話…「験担ぎではありません」 by 産経新聞
↑の記事はルーティンの理解にとても良いので、長いですがご覧いただけると良いかなあと思います。
彼がルーティンをやっている状況は、点数獲得の大きなチャンスが訪れている状況。確実に決めなければいけないプレッシャーが、たった一人の選手にのしかかっています。さらに試合は、戦況・相手・天候・体調・会場・歓声…さまざまな要因があり、その時々で変わります。
観客から見ていると、一人で蹴っているだけ。風向きや会場のコンディション、距離などは変わるでしょうが、相手チームが触って邪魔する訳でもない。
選手の主観は、さきほど引用した障害(歓声や相手の動き…外的障害、不安や心配…内的障害)を障害として受け止めてしまう自分の心と身体。とても大きく感じてしまいます。ヤジが聞こえ、ちょろちょろ動く選手が目に入る。膝が痛い。息が上がる。ここで決めないと負ける…。
ただ、逆に言うとそれらを感じているのは自分だけ。
ヤジも聞こえない、ちょろちょろ動く選手が気にならない。痛い、苦しいはとりあえず置いておく。あそこに、ボールを蹴り入れることだけを考える。
どんな状態でも、「いつも同じ状態でキックを打つ」。その状態に入るための、ルーティンがあのポーズ。
0-2.ルーティンのメリット
世界規模で戦う人ばかりではありませんが、ルーティンにはメリットがあります。
その時々で変わる状況
↓
いちいち、その都度考える。判断する。周りの状況を取り入れてしまう
↓
周りの状況から判断しようとするため、脳のリソースを余分に使ってしまう
なので、本来パフォーマンスに割り振りたいリソースを喰ってしまう
外的障害(環境)と内的障害(不安・焦り・緊張・ストレス・悩み)の影響をモロに受けてしまう
↓
パフォーマンスが落ちる
その行動自体、出来なくなる
このように、状況によって左右される状態を防止するために、いったんルーティンを挟みます。
その時々で変わる状況
↓
いちいち、その都度考えたり判断しようとせず、いつもと同じルーティンを行う
↓
ルーティンの後は、常に同じ条件が用意される
↓
いつもと同じ状態でパフォーマンスを行える
その行動自体をきちんと遂行出来る
同じ状態になることが出来れば、ルーティン自体に全く意味がなくても構いません。実際、五郎丸選手が手を合わせているポーズはキックに関係ないものです。
回数をめちゃくちゃ重ねたり別の工夫をすることでルーティンがなくても同じ状態になることが出来れば、ルーティン自体やめてしまっても構いません。これもまた五郎丸選手は、現役中にルーティンをやめています。


0-3.ルーティンを取り入れるのに向いている人
特に、外的障害(環境)と内的障害(不安・焦り・緊張・ストレス・悩み)に弱い人はルーティンに向いていると言えます。
例えば、水の入ったコップを持って自室に入った際、不注意でこぼしてしまったとします。
「アラアラやっちゃったよ」と淡々とコップを置いて拭き上げる人もいます。
逆に、「あ〜あ、最悪!なんでちゃんと持ってなかったんだろう…いっつも注意が足りないんだよな〜自分って本当ダメだな〜」と盛大に騒ぎ、その後起こった無関係の不運なことまで関連付けて「やっぱり自分は本当ダメ」と自分自身を全否定したり、不機嫌になって周りにバラまくところまでいく人もいます。
ルーティンは後者のような人に向いているでしょう。
プレッシャーのかかる状態や、集中して何かに取り組みたいといった場合もルーティンを挟んでみるのはおすすめです。
1.ルーティンの方法
1-1.機械的な動きとカウント
五郎丸選手のルーティンは、やることが多く全体でも45秒ほど。機械的な動きをしながら、心の中では「ドレミファソラシド」と言っているだけなんだそうです。もちろん「点を入れなきゃ」などは全く考えません。この長いルーティンをやっている間に、雑念をいったん頭の中から排除しキックだけに集中出来るようにします。
これを参考に、機械的な動きとカウントを取り入れるルーティンです。
特に意味のない動き
+
カウント
例えば
右足から始めてその場でステップを踏みながら、あいうえおを順番に声に出す
腕立て伏せを30回行いながらカウントする
などなど。雑念をリセット出来る回数になるように、様子を見ながら増減させてください。カウントは、心の声が入る余地がなくなるように出来れば声に出しましょう。
1-2.複雑ではない行動をひとつ行う
台東区でよく見られたおじいちゃん達の生態として「仕事が終わると銭湯へ。熱いお湯に浸かってサッパリ」があります。


仕事でどんなことがあっても、熱い刺激的なお湯に入ると「あっっっちいーッヒョーー」としか言えません(ヒョー?)。特に頭を使うような場面はないでしょう。
クッソ熱いお湯は健康にどうなんだとかはともかく、ルーティンとしては参考になります。
複雑ではない、頭を使わない行動
例えば
仕事の前にラジオ体操する
勉強と勉強の間に1曲歌う
出勤前にカフェに入ってコーヒー1杯。通りを歩く人を数える
などなど。雑念をリセット出来るように、様子を見ながら内容を考えてみてください。これも、心の声が入る余地がなくなるようなものがベストです。ラジオもずっとしゃべってくれてスキマがないですし、歌詞を歌うと心の声は入りません。やはり、ここでも声を出すのが良さそうです。
サウナが流行るのは整うからというのもあるんでしょうが、台東区のおじいちゃん的ルーティンの意味でやっている方も多いのかもしれません。
1-3.簡易なアウトプット
今度は昭和のおばあちゃんが例です。毎朝仏壇の水を替え掃除をし、線香をあげ鈴を鳴らし、手を合わせてご先祖様や亡くなったご主人に話しかけます。
いろんな不安や悩み事も、ご先祖様に聞いてもらうことでいったん横に置くことが出来ます。仏壇に手を合わせて話しかけた後は、「今日も1日」と穏やかに過ごすことが出来ます。ルーティンには良いのではないでしょうか。
その時思っていることを手短にアウトプット
例えば
仏壇や神棚、推しの写真に話しかける
簡単な日記を朝書く
5分間だけ紙に書き出す
などなど。不安やイライラがこびりつきやすい人はこのルーティンが良いかもしれません。いったん心の声を聞き、書き出したり口にしてあげます。そして、その後は気にしないと心に決めることです。
ルーティンとして取り入れる際のポイントは、アウトプットにあまり時間をかけないことです。芋づる式に思い出し怒りしても意味がありませんからね。
機械的な動きとカウント
複雑ではない行動をひとつ行う
簡易なアウトプット
心の声が出る余地をなくす
or
心の声をいったん聞いて、後は横に置いておく
どちらか
2.ルーティンは直前に行う
例えば
勉強の前にラジオ体操を行う
↓
間髪入れず勉強を始める
でないとルーティンの効果は出るようになりません。
勉強の前にラジオ体操を行う
↓
スマホをチラ見する
↓
気分が悪くなる投稿を見てしまった
↓
気になって他のことを調べ始める
↓
勉強を始めるのが遅れた
これでは、ルーティンは形骸化しています。
「今から集中するために、ルーティンをやります」という状態に…ルーティンを始める前の状態からそうでなくてはなりません。そして、繰り返すことで身体も覚えてきて本当に集中出来るようになっていきます。
そして、ルーティンをやっている最中に、ルーティンの効果自体・ルーティンの成功不成功についていちいち考えないように。ルーティンは、あくまで準備運動のようなもので、ルーティンがなんかちょっと失敗したからって、キック打てればそれで良いんですからね。


3.まとめ
最適化ステップでルーティンを取り入れたのは「毎回、同じ状態に自分を持っていく」という意味で、まさに最適化だなあと思ったからです。
緊張や不安で出来なくなるのは勿体無いですもんね。


1.ルーティン例
1-1.3つの方法
機械的な動きとカウント
複雑ではない行動をひとつ行う
簡易なアウトプット
1-2.ポイント
心の声が出る余地をなくす
or
心の声をいったん聞いて、後は横に置いておく
2.ルーティンは直前に行う
「ルーティンを行うことで集中出来る」と身体に覚えてもらうことでルーティンの形骸化を防ぐ
どうもどうもー。
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